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広島竹原芸術祭2024(その1)

開催中の広島竹原芸術祭、5箇所の会場に行ってみました。

(2024 9月14日〜10月6日 10時〜16時 期間中無休)


まず松坂邸。百崎楓丘さんの町並みに住んでいる方々の写真とコメントの作品。写真は顔写真と手のアップの白黒写真。それぞれの家族の背景が書いてある(写真を撮り忘れてしまったので、ぜひご自身の目でお確かめください)。


手はね、表情が出ますよね。体の大きさ関係なく、肉厚だったり華奢だったり、人生が出ているところあると思います。


竹村京さんの竹原の人物写真の上に薄衣が掛けてあり、そこには文字が刺繍してある作品が。


近くで自分の話し声がビデオから聞こえたので、そこに目を向けるとうちの浄化槽の蓋が画面に映っていました。これは島村凛さんの作品です。6月に取材を受けたのでどこかで使われているとは思ったのですが、ここか。自分の声は気恥ずかしく、そそくさと他に移動。


ちぇんしげさんという台湾の方の作品は、餃子を作っている動画と、別の画面ではその餃子を茹でている画面。そして美味しそうな毎日の食事の写真が、帯のように連なって横にずらりと並んでいます。ドローイング作品もありますよ。


そうだ、この展示の大きなテーマは『記憶の地層」だ! それをベースに見ていくと(そうか)と思う。



上吉井邸。岩崎貴宏さんによるまさに「地層」という感じの大きな作品。さまざまな種類の真っ黒い布が、地層となって重なっている壁。その上には細い糸のようなもので作られた鉄塔と電線。


隣の部屋には、安達響さんの岩塩に彫刻した手や足が古い家具の上にポツンと置いてあります。教えていただいたので岩塩とわかるのですが、一見水晶のように見える、透明感のある作品です。



向かいの吉井邸には、暗い中でスポットを受けて置いてある、修復された獅子の香炉と、天井から垂れ下がった薄衣に2人の人物が刺繍された竹村京さんの作品。高い位置の明かり取りの窓から光が差し込み、まるでそこに住んでいた2人(母と息子)が霊となってお迎えしているように感じました。



上吉井邸と吉井邸は滅多に公開しないので、今がチャンス!

広大なお屋敷の内部で、300年の歴史の積み重ねがじわじわ沁みてきます。


次は頼旧宅。ここは普段から無料公開している県史跡。

ここにもまず左手に岩崎さんの地層が展示してあります。


右手の部屋では、島村さんの動画作品をエンドレスでみることができます。壊れた蓄音機をなんとか直していく動画です。その奥の部屋の机の上にその蓄音機が置いてあり、蓄音機で作られた音楽が流れています(録音した別音源です)。


横には1923年の関東大震災から、1951年のサンフランシスコ平和条約までの年表が置いてあります。その年表は、日本の歴史年表に島村さんの曽祖父、祖父のことが少し絡めてあり、蓄音機との関係も見えてきます。



蓄音機の音って、聴いているだけでどこか古い時代に連れていってくれる感じがします。


まだ続きますが、長くなってきたので続きはその2に続きます。


10月6日まで開催されていますので、興味を持たれた方はぜひどうぞお越しくださいませ。町並み保存地区にありますので、その際には陶工房風土にもお立ち寄りくださいね。

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